伝統的な仏教用語を現代の日本語に

今回は本当に久しぶり(汗)に学術関係のお話を・・・。

以下の研究書をご恵贈いただきました。ありがとうございます。

宮崎泉(代表)、横山剛ら[編著]、『『中観五蘊論ちゅうがんごうんろん』の法体系 五位七十五法対応語を除く主要述語の分析  -仏教用語の現代基準訳語集および定義的用例集- バウッダコーシャVII』、東京:山喜房佛書林、2019年。

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実は、一昨年には以下の研究書もご恵贈いただいてます。(紹介が大変遅くなり、すみません。)

宮崎泉(代表)、横山剛ら[編著]、『『中観五蘊論』における五位七十五法対応語 -仏教用語の現代基準訳語集および定義的用例集- バウッダコーシャIV』、東京:山喜房佛書林、2017年。

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この2冊は、重要な仏教用語の現代語訳を提示する学術プロジェクトの成果の一部です。本書は、『中観五蘊論』という書物の中でさまざまな仏教用語がどのように定義されているかを、関連する文献も含めて調べ上げた上で、各々の用語の現代語訳を提示しています。

この学術プロジェクトでは、この『中観五蘊論』の他にも、『俱舎論くしゃろん』や『瑜伽師地論ゆがしじろん』などといった仏教史上非常に重要なテキストについても研究を行い、同じように仏教用語の定義例や用例を集めて現代語訳を付した書籍を出版しています。(研究成果の一部は、同プロジェクトのホームページ上でも公開されています。)

取り上げられている仏教用語はかなり専門的なものが多いのですが、どれも大切なものばかりで、仏教の理解を深める上で、大変重要な研究成果です。

仏教用語というのはクセもので、時代や地域によって、同じ言葉でも少しずつ意味が違う場合があります。ときには、同じ時代・地域でも人によって微妙な意味の違いがあったり、同じ人でも著作ごとに一つの言葉を少しずつ違う意味で使っていたり・・・。study_wakaranai_boy

しかし、このプロジェクトのおかげで、重要なテキストの中に出てくる仏教用語の意味を、定義例とともに現代の日本語で簡単に比較できるようになりました!

仏教用語をどのようにして現代の日本語に置き換えるかというのは、自分が仏教のお話しをさせていただいている際、また、このブログを書かせていただいている際にも直面している切実な問題です。

伝統的な用語にそのまま馴染んでいただけると一番ありがたいとは思うのですが、用語をそのまま使って、意味が伝わるとはとても思えません。しかし、現代日本語に置き換えてみると、今度は「なんか意味が少しズレて理解されないかな?」「いや、そもそも自分がどこまで正確に理解できているのか・・・」と不安になるという(汗)。

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世の中にはいろいろな仏教入門書がありまして、いろいろな「分かりやすい」言葉が使われております。しかし、その質は千差万別。今回紹介した研究書のような、きちんとした裏付けがある場合ばかりではありません。

人が分かるように表現するということを、「単なる言葉の置き換え」と簡単な作業のように捉える人も少なくないのですが、人に伝わる言葉へと正確に置き換える作業のなんと難しい事か・・・。 (-_-;)

徳養寺では一般の方向けに、講座「お経本を読む」(原則毎月第三日曜日開催)や「お寺入門講座」(2019年は6/29スタート!)を開催しておりますが、今後とも試行錯誤をしながら、住職も精進を重ねて参りたいと思います。(両講座とも、徳養寺のご門徒でなくとも参加可能です。)

何卒よろしくお願い申し上げます。

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